Hvidt & Molgard / ビット&ミュルゴー
ピーター・ビット(1916-1986)とオーラ・ミュルゴー・ニールセン(1907-1993)は
コペンハーゲンに拠点を置くビット&ミュルゴーの創設者であり、
デンマーク・ミッドセンチュリー・デザインのパイオニアです。
シンプルなデザインで知られる二人は、シンプルで精緻な
デザインスタイルを確立し時代を象徴する数多くの家具を手がけました。
1950年に発表されたAXチェアの成功は、
その後の二人のキャリアにとって大きな影響を与えました。
その滑らかで引き締まったシルエットは、
デンマーク・モダニズムのリーダーとしての地位を確立しただけでなく、
集成材を使用することで大量生産が可能となり、
世界中にマーケットを拡げることにつながりしました。
当時、この先進的な生産方式が生み出されたことによって、
古典的な職人技を活用しつつも、手頃な価格で美しい
家具を作るという新しいムーブメントへの道を切り開きました。
ビット&ミュルゴーの二人は、ともに優れた技術力を持ち合わせていました。
オーラ・ミュルゴー・ニールセンはデンマーク王立芸術
アカデミーでカーレ・クリントに師事して家具デザインを学び、
ピーター・ビットはコペンハーゲンの美術工芸学校で
キャビネット作りを学び、伝統的な職人技の知識を身につけました。
現在、彼らの作品はMoMA、メルボルンのナショナルギャラリー、
コペンハーゲンのデザインミュージアムで展示されています。